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新しいものを生み出すための余剰


1998年にピューリッツァー賞に輝いた、ジャレド・ダイアモンド氏の
著書「銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎」の中で、
狩猟民族と農耕民族との比較についての記述があります。

要約しますと、下記のような内容です。
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狩猟民族は、常に危険と隣り合わせで、リスクは大きいものの、
獲物を仕留めれば、ご馳走となり得るし、集団における名声も高くなる。

ただし、食料自給は不安定であるため、定住は難しい。

一方、農耕民族は、自然災害による飢餓を除けば、リスクは低く、安定的に
農作物を生産することができる。従って、定住することになる。

安定的に食料が確保でき、飢餓のリスクが小さくなることによって、
コミュニティの全ての人間が、農業に関わる必要がなくなってくる。

すなわち、余剰人員が発生するため、他の役割を担うことができる。
そのおかげで、芸術や文化が形成された。
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こうした観点で、現代の組織を眺めてみますと、ある仕事をできるようになる人が
増えることによって、余剰な人員や時間などが生まれます。

すると、組織内で他の役割を担う人をつくれますので、新しいアイデアや
事業を考える余裕が生まれてきます。

そのように考えると、組織には、ある程度の余剰が
必要ではないかとも思うのです。

人員余剰だけなら、現在の環境では、リストラという決断に
なるのかもしれませんが、人員を削減することは、現有社員の
時間的余剰や精神的余剰を奪うことになります。

そのような状態で、新しい商品やサービスを生み出すということは、
困難な道のりとなるでしょう。

たとえ、リストラという手段を講じたとしても、リストラ後の組織に対して、
いかにして時間的余剰や精神的余剰をつくることができるかが、
V字回復のための条件なのかもしれません。
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